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○ |
東 京 |
宮地 伸一 |
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土屋先生坐れば一瞬に会場の空気変りし思ひせし常に
先生にほめられしこと二度ありき今も生きゆく励ましとなる |
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○ |
東 京 |
佐々木 忠郎 |
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みどり濃き木賊を切りて爪磨くを教へてくれし父若かりき
この秋は河津桜を裏庭の金木犀伐りて移さむ目論見 |
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○ |
三 鷹 |
三宅 奈緒子 |
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年へだてて来し安芸のくに幼く別れし生母のくによと二日やどりぬ
原爆にも残りし大楠とかの園にともに仰ぎし人は今亡し |
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○ |
東 京 |
吉村 睦人 |
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紫を帯びて出でこし桔梗の芽わが喜びはかくひそかなり
高空を飛びてゆくあり飛行機に乗ることもはやわれに無からむ |
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○ |
奈 良 |
小谷 稔 |
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塩害を怖れつつ潟の水引くか早苗田は潟の濁りに並ぶ
北潟より吹きくる風の冷ゆる日を友の心の衣を重ぬ |
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○ |
東 京 |
雁部 貞夫 |
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大切に本を扱ふ気風失せやがては歌も滅ぶといふか
謙譲の美徳といふも今は死語コツプの中の嵐を前に |
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○ |
さいたま |
倉林 美千子 |
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子の住める国より来しか覚えなきポピーが庭にふらふらと咲く
少年と若き夫と住みたりきベルリンの壁のそそりゐしころ |
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○ |
東 京 |
實藤 恒子 |
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下水道工事の轟きやみゐるにふと気づきたり校正終へつつ
幅広くうすくれなゐの漂へり神田川は夕べの光となりて |
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○ |
四日市 |
大井 力 |
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何のこともまことが基本となる口調咎めもせざる五人誰もが
西の山に雲切れて日の傾けり川上遠く油光りして |
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○ |
小 山 |
星野 清 |
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蕾白くふくらみて来しえごのきは二日見ぬ間に花こぞり咲く
雨降ればえごのきの花重々と枝垂れてはやも散り初めたり |
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(以下 HP指導の編集委員・インストラクター・アドバイザー) |
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○ |
札 幌 |
内田 弘 |
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鋼材を吊りしクレーンの回転よひとつ廻れば街は暮れ色
サイレンに追はれて逃げ行く反骨か暴走野郎も既に日常 |
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○ |
取 手 |
小口 勝次 |
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細き雨降りて筑波嶺煙る朝つつがなく友らの集ふを祈る
早苗植うるころに歌会の下見に来し田の真中に白鷺ひとつ |
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