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○ |
東 京 |
宮地 伸一 |
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ドイツの選手バトン落としてヒトラーの嘆く一瞬を映せるも見き
ソ連軍の攻めくる前にかの国境離れて今も我が命あり |
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○ |
東 京 |
佐々木 忠郎 |
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二週間余美事に咲きて散るはまぼうを生きて又見む来る夏の日に
はまぼうのハート型の葉かげに青き実見ゆ花のみを見て気付かざりけり |
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○ |
三 鷹 |
三宅 奈緒子 |
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詠草送りのち忽ちに逝かれしかつひの歌会にみ心のこして(悼渡辺定秋様)
その運転にて導かれし九重高原の初冬のひと日忘れずわれは |
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○ |
東 京 |
吉村 睦人 |
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「作るほど下手になるといふ」先生の理論実証のわが六十幾年
「下手は上手になる希望があるから大いに努力」せよとも言ひたまひたり |
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○ |
奈 良 |
小谷 稔 |
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太平洋の波を遥かにおほどかに受け容れて永遠(とは)なる九十九里浜
海亀の昨夜上り来し砂の跡わが足跡も間なく消ゆべし |
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○
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東 京 |
石井 登喜夫 |
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逆上りができず付きたる渾名「ドン」DONは「親分」役に立ちたり
広島弁の中に一人の伊予訛りわれをいたぶりし餓鬼等なつかし |
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○ |
東 京 |
雁部 貞夫 |
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「故障」の文字死語となりしか今宵また原発の二基「不具合」と言ふ
デパートの檻に入れられ煙吐く絶滅危惧種人間われは |
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○ |
福 岡 |
添田 博彬 |
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立ち上がり休刊の非を整然と声太く述べき小気味良かりき(渡辺定秋氏追悼)
吾よりも重しと労はりくれたりき己が病の進める知らず |
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○ |
さいたま |
倉林 美千子 |
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仕上げねばならず力を与へよと夜更けて父の写真を抱く タブロイド六面分のレイアウト亡き父と四日籠もり成りたり |
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○ |
東 京 |
實藤 恒子 |
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死に近く恋ひまししといふ遍路墓きみ亡き会終へ今日は来りぬ
お遍路に斃れし人らの墓幾基か雪置く檜林の下蔭にして |
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(以下 HP指導の編集委員・インストラクター・アドバイザー) |
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○ |
四日市 |
大井 力 |
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いつか帰らむと詠まれてその後帰る日のなけむともある一首かなしく
ふらふらと帰りたくなるふるさとと隠さず詠まれしはここか上郊 |
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○ |
小 山 |
星野 清 |
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数多なる阻塞気球の揚がる空六十余年経てなぜ夢に見し
竹竿に模型ささげて狙はせし高射砲訓練のかのつたなさは |
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○ |
札 幌 |
内田 弘 |
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はづれ馬券を一瞬舞はせ座り込む男の眼は虚ろなるまま
座り込み競馬新聞に印付ける男の傍らに飲むワンカップ |
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○ |
取 手 |
小口 勝次 |
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社保庁は年金を株に運用し赤字を出すなど愚をまた晒す
黒船が来て維新まで十五年今の世直しまだまだ先か |
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