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○ |
東 京 |
宮地 伸一 |
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神田川の岸の白壁わづかにも青草生ひて垂るるしたしさ
この川をいつまで見むか九十に近しと書かれていやになれども |
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○ |
東 京 |
佐々木 忠郎 |
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友より文明先生の拓本送りきぬ子持山にて草をあつめしみ歌
額を求め部屋に飾りて悦に入る先生のみ歌先生の文字 |
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○ |
三 鷹 |
三宅 奈緒子 |
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思はざるみ子のつひの日を語ります友は気丈に照るま日のもと
その庭の朴のさやぎもみ子と共に聞きてゆたかに住むべかりしを |
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○ |
東 京 |
吉村 睦人 |
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七十年住みしこの土地一夜にて離れゆくことを決心したり
移りゆくマンションのことを様々に思ひゐたりしが今は眠らむ |
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○ |
奈 良 |
小谷 稔 |
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三軒のふるさとに人住む証しともわづかなる田に水張られたり
ゐのししの食ひ残したる筍をわが手に掘りてふるさとにあり |
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○ |
東 京 |
雁部 貞夫 |
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万木宗良戦死のさまを今日は知る空母被弾し傷つきしとぞ
戦はず果てしと詠みし先生か情報乏しき時代のなかに |
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○ |
福 岡 |
添田 博彬 |
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・今月、病気療養中の 添田博彬選者の作品は欠如しております。
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○ |
さいたま |
倉林 美千子 |
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レイアウト仕上げて音なき午前二時心は冴えて人を思へり
レイアウトに汚れたる手を洗ふ夜半人思ひやる気力今無し |
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○ |
東 京 |
實藤 恒子 |
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淡あはと花の香まとひ帰り来て浜焼の鯛に君と宴す
その好みも何時か似て来てテレパシーの通へる二人となりてゐるかな |
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(以下 HP指導の編集委員・インストラクター・アドバイザー) |
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○ |
四日市 |
大井 力 |
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心通はず過ぎしを互みに言ひあひき二十日後つひの別れも知らず
もの書くを「やは」と終生厭ひにき兄ははかなく人容るるなく |
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○ |
小 山 |
星野 清 |
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旧守派と呼ぶ者は呼べ太陽をわれは「日」と書き歌詠み継がむ
老いし者に向けくる言葉伝へつつ君憤る遠き電話に |
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○ |
札 幌 |
内田 弘 |
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剥き出しの舗道の傷みにぬるタール湯気を上げつつ忽ち冷えぬ
勢ひつつもの言ふ吾が指弾さる何が悪いか無視して出づる |
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○ |
取 手 |
小口 勝次 |
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干拓事業止めし大正の文人らありて手賀沼の今は保たる
ふるさとの御柱祭に通ひたりし高木の里の今に浮かび来 |
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