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○ |
東 京 |
故 宮地 伸一 |
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今朝見れば娘は意外に美しく心ゆらげり妻を思ひて
その昔歌のことにてわが妻と言ひ争ひき何を詠みしや |
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○ |
東 京 |
佐々木 忠郎 |
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宮地先生病みて七箇月目のみ歌なり酒・鰻・菓子にも見向きせざりき 三月集 I
嗚呼つひに夫(をつと)の君と幼児四人遺して早く亡き妻君を恋ふ |
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○ |
三 鷹 |
三宅 奈緒子 |
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死者の数日々増しゆくにただもだす若き日住みしこのみちのくの街
ささやかな営みなべて押し流し流してここにむごき残骸 |
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○ |
東 京 |
吉村 睦人 |
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厳密に想定せざりし言ひ訳に「想定外」とたはやすく言ふ
昨日には戻れず明日も無き人らそれでも生きてゆかねばならず |
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○ |
奈 良 |
小谷 稔 |
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目に迫る津波に咄嗟にハンドルを切りし刹那を姪は一気に
地震にて頓挫せし食のイベントは避難所の姪らへ熱き焼きそば |
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○ |
東 京 |
雁部 貞夫 |
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お茶にせむかと言ひし途端になゐ起る校正中の編集室に 3月11日午後2時46分
茂吉先生の短冊かかへ避難せり今を生きゐる吾のしるしに |
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○ |
さいたま |
倉林 美千子 |
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ながき地震(なゐ)やや鎮まりてつけしテレビ海膨れ街をのみ込むところ
崩るる家流さるる船また車怒涛は襲ふ友住む町を |
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○ |
東 京 |
實藤 恒子 |
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落つるものなしといへども玄関を開けひとり耐へゐき長きながき揺れに
吹雪き来る瓦礫に捜す親や子やわが庭に杏の花薫れども |
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○ |
四日市 |
大井 力 |
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チェルノブイリもスリーマイルの経験も収め得ざりし人智といふか
岩盤のせめぎ合ふ上にこらへゐる列島か目の前の土手の蒲公英 |
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○ |
小 山 |
星野 清 |
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南島の大き地震の映像をいかに見ますか病めるベッドに 宮地伸一先生
潰えたるクライストチャーチがまた映り共に旅せし君を思ふも |
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(以下 HP指導の編集委員・インストラクター・アドバイザー) |
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○ |
札 幌 |
内田 弘 |
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諍ひを避けて来しかな冬の去る棚に並ぶは百のふくろふ
歩み来てビルの路地よりあふぐ空鳩の自由もなきかわが生 |
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○ |
取 手 |
小口 勝次 |
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リュ・シウォン韓流スターの父の家公開されて人ら混み合ふ
八戸に赴任して間なき子の安否わからず震災の二日苛立つ |
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