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○ |
甲 府 |
青木 道枝 * |
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ピアノソナタ復習(さら)えるときに照りいでて雪ふる中を高窓のひかり
葉をすべて落としし樹形にゆきあえり先の先まで雪空を指す |
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○ |
札 幌 |
内田 弘 * |
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三本締めに団結揺るがず声合す嘘を幾たび幾年吐(つ)きしか
次々と名刺交換するだけで時間通りに終わる新年会 |
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○ |
横 浜 |
大窪 和子 |
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準工業地に建てし工場いつよりかマンションに囲まれ孤立しゆきぬ
かかる悲惨あり得るものか大統領が己が国民(くにびと)を空爆し尽くす |
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○ |
那須塩原 |
小田 利文 |
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雛人形飾る我が家に子と過ごす週末や良し四年ぶりなり
子が言ひし人を称ふる初めての言葉「おめでたう」は卒業生に
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○ |
東広島 |
米安 幸子 |
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被爆国の一人と自覚せし十五歳核兵器なき世界を願ふ (愛子さま)
移住したい県一位といふ広島県かつて海駅(かいえき)なりし鞆の町へも |
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○ |
島 田 |
八木 康子 |
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しみじみとわが内にあり暗証番号思ひ出せずに引き返す歌
今はわが血肉と思ひ良しとせむ読みこしあらかた忘れ果てしも
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○ |
名 護 |
今野 英山(アシスタント) |
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フィナーレの「勝利の歌」はサンバのリズム思ひそれぞれ手は掻合(カチャーシー)
広場にも道にも流るるリズムはラテンここ南国の血を湧きたたす
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