昨年10月に90歳でお亡くなりになった小谷稔先生の作品を紹介します。
○とどろきて光をはなつ那智の滝しぶきの奥に太々と落つ ○牛の仔の乳吸ふ音の聞こゆるも寂しかりけりふるさとに寝て ○児童らの下げくる下駄の鼻緒すげ四角になりぬ吾の手拭 ○吾の歯の砕くるばかりの歯ぎしりを日々に耐へつつ「一強」憎む
○薬剤の副作用にて喉渇きふるさとの天然水ひたすら恋し
新アララギ11月号は「小谷稔追悼特集号」でもありました。
寄稿文の中には「今年の新アララギの2月号からはほぼ小谷先生の追悼歌特集状態である。」から始まる一文もあるほど、尽力され続けられた重鎮でした。
このHPの「新アララギ通信」【91】にも、<★ 追悼・小谷稔 ★現代短歌2月 特集より>として11首紹介されています。 |