佳作 |
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○ |
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長沢 英治 |
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噴水のマイナスイオンに深呼吸して商談の待つビルを目指しぬ |
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評) 商社マンのある心意気が感じ取れます。 |
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○ |
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澤 智雄 |
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いちだんと景気は悪化するというお互いが庇いあう時かと思えり |
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評) これにも事柄だけでない心動きが感じられます。 |
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○ |
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えめ |
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道端にうす桃色の花びらを虫に食はれて百合の花咲く |
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評) 百合の花の歌、何かを仮託したものより、その仮託が分からないこともあり、この着実なものの方がよいと思います。五首目の「ゐます」ですが、敬語(なら文語でも「います」)でなく、現代口語の丁寧表現の「います」の旧仮名遣「ゐます」とのことですが、それなら「如何にかゐます」でなく「どうしてゐます」、「持ちゆきし人」は「持っていった人」としないと、チグハグ過ぎます。 |
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○ |
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下野 雅史 |
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イタリア行きの日程表に記されし寺院の名前に記憶目覚めず |
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評) 「記されし」のところはよくなりましたが、「記憶目覚めず」は前にも指摘したように、やはり変です。「蘇らず」とか「もどらず」とかすべきです。 |
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○ |
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深山 猪手 |
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スポークに撥ねし光は昼前のコンクリートに広がりて見ゆ |
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評) 誰も今まで捉えなかったものを見出して、いきいきと表しています。 |
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○ |
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片 歌 |
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R246過ぎ行く車の軌跡縫ひ白き蝶は鮮やかに渡る |
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評) 初句「アール・にいよんろく」と読ませるのですか。「にいよんろく」だけではいけませんですか?「軌跡」は「車の通った跡」ですが、車の通った跡を縫うとは合点がゆきません。そういう問題点はりますが、五首の中ではこれでしょう。 |
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