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○
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米安 幸子 |
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卓上に青き松毬乾きつつかぐはしき香のいまだもしるし |
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評)
台風の置き土産 台風をまともに詠むと型にはまりやすい
搦め手から攻める戦法もありますよ |
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○
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としえ |
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曼珠沙華と去りたる母の記憶とが重なりあうを誰にも言わず |
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評)
この花が華やかなだけに沈黙の悲しみが倍加す |
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○
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大志 |
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うかららに臥す者もなく過ごしをり鶏頭五本けふは咲きゐて |
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評) 鶏頭の花が他の花に代えがたい効果
老成した作 |
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○
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山本 道子 |
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病む母に白桃小さく切り分けて食のすすむをともに喜ぶ |
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吾が死後は無縁仏とならむ墓眠れる四人は原爆に死す |
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評)
第二, 三句にたどり着いたすばらしさ
核心を捉えることとは こういうことです
・二首目はいい歌を入れ忘れましたと、小谷先生があとから挿入されました。(大窪) |
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○
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新緑 |
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麻痺の足につける装具の調整に紙の粘土を添えて試しぬ |
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評)
下句 その人でないと 捉えられないもの
それが 作品の 命 |
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○
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かすみ |
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頓服の赤き薬包紙ひろげては熱をさまさむひとりの夜更け |
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評)
上句 宮野さんに絶讃されたもの
こんなささやかなものに 光をあてるのが 短歌の特性 |
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○
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宮野 友和 |
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この暮れは二十九歳にわれはならん源実朝すでに死したり |
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評)
若くして万葉調を愛する作者,その点で実朝の夭折をかなしむ |
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○
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美穂 |
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秘めて持つ立杭焼の盃よ笑う女の裏は夜叉なり |
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評)
人の二面性は特別なことではないが 盃を使つた意外性 |
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佳作 |
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