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石川 一成 |
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愚痴言いて気の晴れし子かケイタイに吉本喜劇の空席さがす
漫才の早きテンポにつきゆけず笑いどよめく中に黙せり |
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仲 山 |
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筑波山に真向かう施設に移り住み刻々の変化をデジカメに撮る
フィルターのぽたぽた落ちるコーヒーをじっと見つめて今日を占う |
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栄 藤 |
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この年の賀状も多しわが財と思ひて見をり幾度となく
若者がただ自転車に追ひ越ししのみに怯ゆるわれとなりしか |
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英 山 |
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機関車の黒きに触れてよみがへる子と連れだちし旅の数々
高層ビルのガラスの壁が舗道に迫り緑つらなるこの街に建つ |
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つかさ |
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盲目の義父の手を引く義母を見て一心同体という意味をわが知る |
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中 村 |
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子育てを終へて勤めに出し妻のいたはりを想ひ布団をたたむ |
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