佳作 |
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○
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英 山 |
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山深き佐久の谷間を貫きて送電線は尾根を越えゆく |
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評)
くっきりと景観をとらえた叙景歌。清潔な詠み口である。 |
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○
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仲山 小百合 |
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抑揚を付けて鳴く鳥チョットコイ姿見たくて辺り見回す |
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評)
「チョットコイ」と鳴くのは小綬鶏であったか。軽快な歌だ。 |
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○
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大橋 悦子 |
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雨の中を来たりし汝の肩先の滴となりてとまりていたし |
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評)
何度か苦労して一首にまとまった。作者のねばり勝ちであろうか。 |
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○
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斉藤 茂 |
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百合を持つ優太に近づき抱き上げる妻の笑顔はいく日ぶりか |
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評)
「孫」歌というよりは、妻を思いやる気持がよく表われた作。 |
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○
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白井 あい |
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高圧線縦に横にと大空を截て続きぬわが街の上に |
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評)
この作も、だいぶ苦心した作。その苦労が生きた。特に「高圧線」云々が印象的。 |
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○
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新 緑 |
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車窓に映るわが髪しばし整えて杖を突きつつ会議に向かう |
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評)
「腰骨」云々の歌も悪くはないが、自分のことを詠んだ、この作品を採った。他の作ももう少し工夫するとよい。 |
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