佳作 |
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○
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大橋 悦子 * |
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握り飯を臥せいる父に持ち行きて頬張る様を見つめていたり |
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評)
五首それぞれに抑えた作者の心持を感じ、表現者としての自覚がみえたが、例えば「括られし」の歌など、前を少し短くして「病室に入る」まで言ってほしかった。もう一歩の感。 |
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○
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けいこ |
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おさなごを抱きて覗く水槽におこぜは眠れり真昼のときに |
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評)
結句が少し不安定。「ときに」でなく「ときを」が良いか。真昼だからこその感じがよく出ている。 |
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○
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新 緑 |
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寿司つくり妻の待ちいて気づきたり六十九のわが誕生日なり |
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評)
おめでとうございます。奥様もお元気でお幸せですね。左手の麻痺にめげず挑戦を続けて下さい。 |
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○
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栄 藤 |
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少し欠けし痕そのままに古びたる弟の焼きし湯呑を愛す |
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評)
「やや欠けし」ではお湯が滲み出そうな感じ。ここは「少し」として、ある部分が欠けていることを明確に。五首共に、静かな整った作風。 |
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○
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石川 一成 * |
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老人は癌進まずとの噂聞き手術止めたしと言いくる友は |
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評)
「手術を受けなさい」と言ってあげたい気持がこの一首には充分感じられます。他、「大方の意見」などと言ってないで、「私はこう思う」と直接訴えたらどうでしょう。 |
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○
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小林 久美子 |
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香たつ生の玉葱口にせり友が畑にけさ獲りしもの |
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評)
新鮮な歯ごたえが伝わってきます。心象詠の初句、「焦れば」がもう一歩です。頑張って仕あげてください。 |
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○
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仲山 小百合 * |
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ビート効く音楽不意に聴きたくて一人この夜聞くビートルズ |
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評)
こんな時ありますね。止むにやまれぬ心動きを感じさせる一首です。 |
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○
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イルカ |
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新しき家に住みつつなつかしき里の我が家は荒れ家屋となり
学園祭踊るステージに我が息子今青春の輝きの目で
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評) 一寸推敲が間に合いませんでしたか。素材は良いのですが、どれも言いっぱなしのような終わり方でしょう?
・新しき家に住みつつなつかしむ里の我が家は荒れはてたれど ・学園祭踊るステージに我が息子今青春の輝きの中
ここで添削はいけないかもしれないが、一寸したことで良くなると思ったので。 |
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