佳作 |
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○
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山本 景天
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父眠る葉桜の濃き墓の前若き僧侶の声響きたり |
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評)
一連の歌、みなしっかりした作品だが、それらの中で、この作の景と情のバランスの良さにひかれた。 |
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○
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天井 桃
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草刈りし田んぼを行けば車窓から草の香乗せた風が過ぎ行く |
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評)
「夕焼け・・」の歌と甲乙付け難い。この歌も良い。 |
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○
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吉井 秀雄
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どんな夢を見しや焚き火の燃ゆる音にしばし混ざりて子の寝息聞こゆ |
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評)
結句は、「聞く」として採る。山中での親子の交流をよくまとめた。子の年齢が(青年なのか、子供なのか)がわかると、もっと良い。 |
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○
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は る
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ドア上の路線案内山の手にTVのような液晶を見る |
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評)
「山の手線」とする。現代の電車内の一風景。あるようでない題材の作である。 |
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○
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仲 山
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イルカにもレギュラーありし選ばれて球を運びしジャンプもしてる
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評)
「・・・・レギュラーのあり選ばれて球を選びてジャンプしている」として採る。少しくどい所があるが。他の作はもっと簡潔に詠みたい。 |
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○
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ま り も
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半額と貼られしゲージに入れられし仔犬の瞳が吾を離さず
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評)
「離れず」と結句を直して採った。他の作もみなとらえ所をつかんでいる。 |
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○
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英 山
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宿坊の本尊拝み娘(こ)の平癒をひたすら願ひて経をまねびぬ
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評)
他の作も手固いが、この作が最も印象的だ。結句は「経を唱えたり」とする。 |
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