佳作 |
|
|
○
|
|
勝村 幸生
|
|
付き合い長き尿管結石(けっせき)は重き鞄肩に旅すれば発症す |
|
|
評)
上下の句を倒置にするべきだった。 |
|
|
|
○
|
|
オレンジビール
|
|
朝顔のあまた芽吹けば間引きせむ庭に夕日の差し来る中に |
|
|
評)
過不足なくまとまった。他の作品はもう一歩というところであろう。 |
|
|
|
○
|
|
まりも
|
|
叱らるるを覚悟に夫に電話する「靴が壊れた、車を出して」 |
|
|
評)
この歌が一番端的でよい。他の作品はやや説明的である。 |
|
|
|
○
|
|
三橋 友香
|
|
「おじいちゃんが来たよ」と祖母は目を瞑る鳴く鶯を亡き祖父と言いて
|
|
|
評)
素直で良い作品。他の作品も良い出来だ。 |
|
|
|
○
|
|
石川 順一
|
|
葉桜は傘無き人の傘となり仕事の帰り足を早める
|
|
|
評)
他の作品はやや理屈っぽい。 |
|
|
|
○
|
|
吉井 秀雄
|
|
工事中に路肩に置かれし竜王の里宮元の場所に戻りぬ
|
|
|
評)
一連では感じの出ている作品。 |
|
|
|
○
|
|
金子 武次郎
|
|
ご定年おめでとうとの送辞受け会社出づれば春風寒し
「良性です」その一言にほっとするMRIの結果を聞きて |
|
|
評)
共にまとまりの良い作品になった。 |
|
|
|
○
|
|
長 閑
|
|
心細く祭囃子を聞きし日よ越したるばかりの家に臥りて |
|
|
評)
遠い日の思い出だが感じのある作品。 |
|
|