佳作 |
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○
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桜 子 *
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引出しの底に「いろは」の型絵染め亡き母の手ぬぐい色褪せぬまま
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評)
五首中この歌が一番歌らしくしようとするところが無いのがよいと思います。 |
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○
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金子 武次郎 *
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吾が通い子どもが通い孫通う小(ち)さき書店も店を閉ざしぬ
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評)
(1)の歌と連作ですが、この方が具体的でよいと思います。 |
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○
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安 藤 *
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食事代わが支払いしを咎めたる君をさびしと今日は思えり |
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評)
五首とも相聞の気配の歌ですが、中でこの歌が最も一途な思いが表わされています。 |
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○
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三橋 友香 *
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「ビリーブ」歌うわが口元を見つめつつ少し遅れて口ずさむ祖母
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評)
「少し遅れて口ずさむ祖母」がとてもよいと思います。 |
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○
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けいこ
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目のかすみ日ごとにしるくなりたれば「今日は閉ぢるよ」パソコンに告ぐ
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評)
他の四首は少し事柄叙述的のようです。この歌に一番気持も籠もっています。 |
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○
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石川 順一
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大量の小豆の苗を駄目にして新たな苗を構想して居る
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評)
没細部的に核心を明確に述べていて、よいと思います。 |
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○
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勝村 幸生
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再生を信じてミイラになりたるにガラスケースに見せ物の王
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評)
「なりたるに」は「なしたるに」かも知れませんが、そんなに気にしなくとも感じの受け取れる歌です。 |
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○
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紅 葉
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週末は手紙を書かむきみの住む町には寄れぬ出張なりき
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評)
「書かむ」「なりき」ではテンスが合いません。「出張なれば」としてはどうですか。 |
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○
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吉井 秀雄
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石楠花は登るにつれてその蕾閉ざしをり霧の空に向かひて
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評)
私も谷川岳に幾度か登りました。それを思い出させてくれます。 |
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