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先ごろ、わが国の奈良、大和が世界遺産に登録されました。まことに喜ばしいことと思います。そのことに因んで、新アララギの指導者を長く勤めて下さった、小谷稔先生の最後の歌集『大和くにはら』から数首を引きたいと思います。小谷先生は奈良市秋篠に長く住まれこの地をこよなく愛されて、8年前に他界されました。
小谷 稔 歌集 『大和くにはら』より
小題 秋篠の田
団地占めすでに用なき溜池の春来れば春の光るさざなみ
田一枚残り種漬け花の咲くこの風景の来む春もあれ
稲田消え貸農園に区切られて防霜ネット白く並べり
寺の裏に草の道あり行く者は畑仕事の人とわれのみ
閉校の工業高校ノグラウンドの奥深き闇のほとりに下車す
このグラウンドにて町内会の運動会をせし日のありき皆若かりき |