原田 好美 作品紹介|短歌作品投稿|秀作|寸言|選歌後記|新アララギ選者
作品投稿

作品募集要項

短歌をお寄せ下さい。作品には運営委員による指導があります。以下の手順でお願いします。

(1)「初稿」の提出。1人1か月に5首まで。自作未発表作品であること。
(2)「改稿」の提出。「掲示板」での添削等を取り入れた改作。この提出は月3回程度。
(3)毎月20日までに「最終稿」と明記して、1人3首まで(厳守)を、指導を受けた作品の中から自選して、あらためて提出。
(4)ハンドルネームを使用してもよいが、混乱が生じやすいので頻繁に変えないこと。
(5)「新アララギ」本誌の会員は、ここに投稿した作品を本誌に二重投稿することのないように注意する。
(6) 投稿された作品は選抜の上、「新アララギ」誌上又はインターネット上のホームページに掲載される。掲載後は原則、削除や消去は不可である。


作品投稿ページ

投稿はこちら

今月の秀歌と選評



 (2026年10月) < *印 旧仮名遣い >

小田 利文(新アララギ HP運営委員)


 
秀作
 

○
夢 子

三年の余白を残す日記帳埋めてみせるとブロッコリー食む
病室の窓より見える夕焼けがまだ生きろよと赤く滲みぬ


評)
一首目、初稿のままだが作者の強い意思が伝わってくる一首に仕上がっている。上句から 下句への流れが良く、下句の力強い表現が魅力的である。二首目、詠まれた光景が浮かんでくる。下句の飾らない素直な表現により、味わい深い作品となった。「救急車のサイレン聞こえ目を閉じる我が為だけに疾走して来る」も臨場感ある一首。
 

○
原田 好美

明日には刈り取られるかと見ておりし稲は無残に倒れ伏しおり
このままで気温上がれば芽が出ると眼を伏せぬ米つくる人は


評)
日頃から見守ってきた身近な田畑の様子を詠んだ五首連作の中の二首。一首目、今年は各地で水害が多発し、同じような光景に心を痛めた人も多いことだろう。そのような心情が素直に表現され、読者の共感を呼ぶ作品となっている。二首目、米作りをする農家の人に思いをはせ、一緒になって収穫を願う作者の優しさが、「朝朝に倒れし稲を眺めをり無事の収穫を祈る思いに」と共に、作品に込められている。
 

○
鈴木 英一 *

稲田にも機械化の波は押し寄せぬ田起こし田植に稲刈りまでも
わが庭に植ゑしミニトマト房ごとに真つ赤に色づく実を採り楽しむ


評)
一首目、米作りの現状が良く詠まれている。作者の観察による下句は畳みかけるようなリズムの効果もあり、読者に訴える力のある作品となっている。二首目、 結句の 実を楽しめり を 実を採り楽しむ として採った。作者の日常が詠まれた一首からは、庭のミニトマトに寄せる思いが伝わってきて楽しい。「世の中にAIの普及急なれど大電力消費忘れてならじ」も世相に取り組んだ意欲作。
 

○
ふで

長雨と咳の発作に苦しみて外出もせず過ぎし九月よ
ようやくに咳の発作がおさまれば待ちいしごとく脚痛みだす


評)
一首目、長雨だけでも外出を控えがちになるが、咳の発作が重なれば尚更であろう。下句を初稿「外出もせで過ぎし長月」から「外出もせず過ぎし九月よ」としたことで、わかりやすく整った一首となった。二首目、推敲を重ねて余韻の感じられる作品に仕上がった。「落ち込んだときでもそれを歌にして静かにほほ笑む吾でありたし」と詠む作者に、外出を楽しめる日々が訪れることを祈りたい。
 

○
紅 葉

とりあえず孫に集中締め切りの近い仕事があるわけでなく
お盆だというのに仕事の何かしらあってゆっくり休む気のせず


評)
「孫休暇(孫育休暇、孫育休)」という言葉を聞くようになった。一首目、幼児の事故のニュースを聞くたび、「孫に集中」は大袈裟ではなく、保護者に求められる大切なことだと実感する。「締め切りの」以下には作者の日常が表現されており、親しみの感じられる作品である。二首目、初稿一首目の「提案のプレゼン終える立ったままこのまま行かむ帰りの電車」と合わせて読むと、仕事に追われながらも充実した作者の日常が伝わってくる。
 

 
● 寸言

 今回も自分の内面や身体、命と深く向き合って取り組んだ作品、身近な農作物への優しい眼差しと現状への懸念が伝わってくる作品、日々の仕事から生まれてきた作品など、読み応えある作品に出会うことができた。日常にも影響を及ぼす出来事が日々に起きているなかで、そのような変化も含めた日々の生活を詠んだ作品との出会いをこれからも期待したい。

       小田 利文(新アララギ HP運営委員)
 
バックナンバー